電飾ドレスの紹介

 チームSRSIVで制作している電飾ドレスには2つあり、それぞれ、実装やコンセプトに特徴があります。

【初音ミク電飾ウェディングドレス】(下の写真で右)
【フルカラーLEDショールドレス】(下の写真で左)


【初音ミク電飾ウェディングドレス】
[ご紹介]
第37回筑波大学学園祭(雙峰祭)の「TSUKUBAN BEAUTY 2011」でのあしやまひろこさんのパフォーマンスのため、チームで制作。現在に至るまで改良を継続しています。ゆかさん手縫いのウェディングドレスに、くとのがLEDを内蔵しマイコンによる点灯制御を実装しています。LEDの数は他にはないであろう約6000個。ドレス全体が曲に合わせて中から光ることで、他にないパフォーマンスを実現。電源を内蔵し制御も無線で外部から行える完全ワイヤレス仕様です。

[特徴]

  • 光、音楽、ダンスを合わせたパフォーマンスだけでなく、映像やネットワークとの連携も可能。
  • 某演歌歌手と違って完全ワイヤレスのため、ステージからフロアに降りて踊ったり、イベント会場で他の方の音源とその場でコラボレーションが可能。
  • 全方向に大光量で発光するため、発光方向を意識した専用の振付が不要で、屋内ないし夕方以降の屋外であればデモンストレーションが可能。
  • 曲との同期は、左腕のボタンによる内蔵パターンの切替、無線による内蔵パターンの切替、リアルタイムでオーディオ信号を無線送信の3種類が可能。
  • 衣装との組み合わせ方によっては、初音ミク以外のモティーフにも対応可能。

[仕様]

  • 主LED:電球色テープLED ※防水絶縁仕様
  • 副LED:フルカラーテープLED ※防水絶縁仕様
  • 電源:12V電池を内蔵
  • 主制御:Arduino Mega 2560 ※バス数とSRAM容量の関係
  • 副制御:DaVinci ※Arduino Leonardo互換ボード
  • 開発環境:Arduino IDE
  • 無線:Digi XBee S1
  • 主LED駆動:新日本無線 NJW4800 ※過電流保護・過熱保護機能内蔵
  • 副LED制御・駆動:秋月電子 K191 ※主LED系統からはスタンドアロン
  • コントロールユニット:電池を含め電工腰袋に集約 ※外からは見えなくしてあります
  • 入力装置:LED付プッシュスイッチ ※点灯パターン選択のため左腕に装着
  • 表示装置:7セグメント赤色LED×2 ※点灯パターンの番号表示のため左上腕に装着
  • 安全装置:主ヒューズ、速断ヒューズ(基板系統別)、温度ヒューズ(LEDごと)、ポリスイッチ(LEDごと)、NJW4800内蔵過電流保護回路、過熱保護回路

[改修履歴]

  • 制作(2011年10月、第37回筑波大学学園祭(雙峰祭)「TSUKUBAN BEAUTY 2011」)
  • 無線でのパターン切替機能追加、ドレス装飾追加(2011年12月、Make: Tokyo Meeting 07)
  • リアルタイム明滅機能追加、トレーン追加(2012年3月、NT京都2012)
  • ネットワーク連携機能追加(2012年4月、ニコニコ超会議)
  • リアルタイム明滅機能の速度向上(2012年8月、Make: Ogaki Meeting 02)

[制作者(くとの)の感想]

  • 1作目なのでいろいろと無理が満載。特に重量(10kg弱)と稼働時間(約15分)。
  • 安全を確保したままパフォーマーへの負担を下げる改良が必要。

[装着者(ひろこ)の感想]

  • 実はかなり重い。現状男性しか着用は出来ないと思われる。一応、着ているうちに慣れてきた。最初の学園祭ではよたよたしていたけれど、今ではきちんと動けるように。
  • 2012年学園祭への改良では軽量化が図られるらしく期待大。

【フルカラーLEDショールドレス】
[ご紹介]
電飾ウェディングドレスでは難しい色の表現を行うため、NT京都2012に合わせて追加制作。くとのが着ます。個別に制御できる128個のフルカラーLEDをショールに組み込んでいます。ドレスはやはりゆかさんの手縫いです。脳波センサとの連携機能を試作中です。

[特徴]

  • 電飾ウェディングドレスと同様に、光、音楽、映像やネットワークとの連携も可能(外部からの制御機能は実装作業中)。
  • 消費電流が少ないので、長時間の連続動作が可能。
  • ショールはユニットとして独立しているので、様々な衣装との組み合わせが可能(3パターンの実績あり)。

[仕様]

  • LED:フルカラーLED 128個
  • 電源:USBモバイルブースタータイプ 2個 ※8時間程度の連続運用が可能
  • 制御:SeeedStudio Rainbowduino v3 2枚 ※駆動可能数の関係
  • 開発環境:Arduino IDE
  • LED駆動:Rainbowduinoに内蔵
  • 配線:UEW銅線(ハンダの熱で溶かせるポリウレタン被膜線、ただし配線は非常につらい)
  • コントロールユニット:電池を含めスエードの腰袋に集約 ※外からは見えなくしてあります

[改修履歴]

  • フルカラーLED64個で半身を制作(2012年3月、NT京都2012)
  • フルカラーLEDを64個追加し128個に(2012年4月、ニコニコ超会議)
  • 脳波センサの追加(2012年8月、Make: Ogaki Meeting 02)

[制作者兼装着者(くとの)の感想]

  • こちらは電飾ウェディングドレスと比べてLEDの数が10分の1(素子数を色別に数えて比較)なのでかなり軽いです。しかしロングドレスに合わせると歩きにくく、込み入った展示会場ではショールの網がひっかかることも。
  • 汎用性を求めて作ったはずなのに、配線が大変すぎて同じものを作る気になれません…

NT京都での写真提供:きむにゃんさん