ことのはじまり(2)
- 2011年10月14日
- エピソード
【この記事は遡及入力です】
by: くとの
まずは「華強電子世界」を訪問…といっても、ラジオデパート10ヶ分くらいのビルが複数集まってできているので、一通り歩いて見るだけでも大変です。規模が秋葉原の比ではないせいか、ジャンルごとに店が集まっています。最初は受動部品のゾーンから入ったので、半導体はどこなのかわかりませんでした。
華強北は電気街といっても今の秋葉原をイメージすると面食らいます。2011年時点で私が回った限りでの話ですが、まず、大規模な家電量販店があるわけではありません。国美電器(Wikipedia)の店舗でもヨドバシアキバの5分の1くらいという店構えです。また、パソコンパーツのショップがしのぎを削っているわけでもありません。そして、オタク系ショップどころかコンテンツ産業そのものがほぼ見当たりません。コピー版ソフトなどを一掃してしまったのかもしれませんが、すがすがしいくらいです。主に売られているのはそれこそPCパーツに乗っている個々の部品(GPU、チップセット、チップコンデンサ、インダクタ…)だったりするわけですから、一般消費者がショッピングを楽しみに来るようなところではおそらくないわけなのです。コンシューマ向け家電製品もある程度売られていますが、それなら国美電器で用は足ります。その意味では、1980年代のパソコンブーム前の秋葉原に近いのかもしれません。
ちょうど、ガード下の秋葉原ラジオセンターみたいに小さなブースが大量にあるという感じです。つまり、単なる小売店と言うより、工場製品の販売窓口兼ショールームという機能もあるようです。その意味では、1980年代前の電子工作みたいに、部品集めをするには広すぎるのもあって難しそうなところです。
ちなみに、深センと言えばパクリケータイ、つまり山寨手機が最近の注目だと思います。確かに、それらしき店が集まったビルはあったのですが、首を突っ込むと危険性が高いのでしっかりとは見てきませんでした。お土産にするにも帰国の際にリスクですしね。
さて、やはり多かったのがLED。流行り物を扱う店はしっかりと集まっています。華強電子世界のビルの1つは、最上階が丸ごとLEDゾーンになっていました(でも、店の数も客の数も寂しかった)。元々、節電照明用にテープLEDを買う予定だったので、いろいろな回って見てきました。
もっとも、困るのは食事とトイレです。華強電子世界の店舗はどこも小さく店を閉めて食事に出られないので、給食ワゴンみたいなカートが巡回販売しています。好きなものを指定するとトレーに盛って渡してくれます。これでは中国語の普通話と広東語の両方ができないと買えません。深センは地域的には広東語ですが、中国全土から人が集まるので普通話の方が多いような気がします(地下鉄の自動放送も普通話、広東語、英語を併用)。もちろん、英語は通じません。お店の人と話す時は型番のメモを見せるから問題ないのですが。トイレは新しいビルばかりの深センといえども(さすがに「ニーハオトイレ」ではないですが)かなり汚いです。汚いのが嫌と言うより安全とは思えないのが深刻。だいたい、日本人はおろか外国人自体が電気街にいないのです。私はどのみち1日1食生活だったたので、ホテルの朝食だけで1日過ごしていました。飲み物は比較的安全な蛇口の駅の自販機(最近JR東の駅に増えているような全面タッチパネル・デジタルサイネージ兼用のもの、ただし顔認識はせず紙幣は5元くらいまでしか入らない)でペットボトルを買っておき、飲む量と発汗量を均衡させて宿に戻るまでトイレ不要にしていました。